【解決】ごみ屋敷を片付けたい!粗大ごみや家電の廃棄処分と環境整備の必要性

3.片付けられない症候群と遺品整理

ごみ屋敷が生まれる原因として、片付けられない・ものを捨てられないことがきっかけになっているとご説明しました。片付けられないのは、性格の問題が大きく絡んでいます。

3-1.増えている片付けられない人

住宅まるごとごみ屋敷になるばかりが、社会問題として注目されているわけではありません。汚部屋という言葉を耳にしたことがあるでしょう。住宅の一部がごみで溢(あふ)れかえり、足の踏み場もない状態です。マンションの1室が汚部屋になっていて困るという悩みも、最近よく聞くようになりました。意外にも、女性に多いのも特徴です。

とても面倒くさがりで、片付けの概念がきちんと理解できていません。ものを手あたりしだいに押し込み、収納をうまく使えていない人がほとんどです。現代人は、ストレスと背中合わせに暮らしています。人との関係が希薄で、どんなことも面倒になってしまう。片付けられない人が増えているのは、孤独とストレスをごみで埋め合わせするからだともいわれています。

3-2.ごみ屋敷で遺品整理が困難に

終活ブームで、生前整理・老前整理などが注目されるようになってきました。残された家族が負担にならないよう、元気なうちに身の回りをコンパクトにしておくことを意味しています。
ごみ屋敷の住人にもしものことがあった場合、当然のことながら遺品整理は困難を極(きわ)めるでしょう。ごみと貴重品の区別を付けるだけでも難しく、粗大ごみなど捨てにくいごみの処分に戸惑うことばかりです。

3-3.実家がごみ屋敷になった場合は? 

ごみ屋敷は決して他人(たにん)事ではありません。高齢の両親が暮らす実家に、久しぶりに帰省して驚いたというケースもあります。自分を育ててくれた両親がごみ屋敷の住人だと知ったとき、衝撃とショックは計り知れないものがあるでしょう。

少し前まで同じ環境で暮らしていたのに、なぜ……?疑問を抱く気持ちもよくわかります。高齢になり、体も徐々に動かなくなってしまい、どんどん気持ちも萎えていくのが人間です。何かできるとするなら、一緒に環境整備について考え、将来どのように過ごすか、介護はどうするのかなどを話し合ってみてください。

子どもが親のごみ屋敷に気付き、片付けようとしても進まないケースもあります。理由は片付け方の違い。子どもはどんどん捨てようとする一方、親にとってはまだ使えると主張するからです。認識の違いは、ごみ屋敷の片付けに大きく影響します。一緒に考えていくことが大切です。普段からコミュニケーションを取るように意識してください。

3-4.ごみ屋敷の相談窓口・解決法について

自分の家がごみ屋敷で困っているという相談より、近隣にごみ屋敷があり迷惑しているという悩みの方が圧倒的に多いもの。どう対処すべきかわからない・住人がどんな人物か知らない・悪臭や害虫に悩んでいるなど、環境や治安に不安を抱くケースがほとんどです。

まずは、自治体の環境美化を担当する課などへ相談してみてください。個人で解決するのは難しく、費用負担なども考えなければなりません。住人の了解を得てごみ処分しなければならず、地域で取り組むべき問題です。ごみ屋敷の住人も方法がわからないというようなら、粗大ごみや不用品回収を行う業者に相談してみてください。

4.ごみ屋敷の片付け方

堆く積んだごみの山・分別されていないごみ・使えるのかわからない家電製品など、ごみ屋敷の一掃には何かと手間と時間がかかります。進め方がわからず、呆然(ぼうぜん)とする方も多いのではないでしょうか?片付け方をご紹介します。

4-1.ごみ屋敷の掃除に必要なもの

ごみ屋敷を一掃するために、最も重要なものは人手です。ごみ屋敷の90%は不用なものとされており、処分にはたくさんの人の手で行わなければ時間ばかりかかってしまいます。中には重量のあるものもあり、数人で運ばなければ難しいものもあるでしょう。

家主の判断を仰ぎながら、不用なものはどんどん処分していきます。細かなものはごみ袋に詰め、分別しながら捨ててください。ごみ屋敷の掃除は、人海戦術で一気に仕上げてしまいましょう。決して一人で抱え込まず、たくさんの人で協力しながら取り組んでください。

4-2.不用品や粗大ごみの仕分け

不用品や粗大ごみの仕分けは難しいですよね。家主にとって宝でも、使えないものを持ち続ける理由はありません。相談しながら、使えないものや壊れたものは処分するようにしてください。

4-3-1.家電製品の捨て方

ブラウン管テレビ・洗濯機・パソコン・冷蔵庫などの家電製品は、粗大ごみとして捨てることができません。小型家電リサイクル法に基づき、適正な処分が求められます。原則として、メーカーによる引き取りまたは購入店舗に依頼することになっているのです。しかし、ごみ屋敷ではいつ購入したかわからない古い家電製品が出てくることも珍しくありません。不用品回収サービスや便利屋などに依頼し、引き取ってもらうといいでしょう。

4-3-2.思い出の品はどうすべきか? 

思い入れがあるからと、すべてを取っておくのは避けるべきです。あれこれ残しておきたいものが出てきて、収拾が付かなくなってしまいます。

思い出にも優先順位を付け、残すものを限定してください。価値ある品はオークションやリサイクルショップを活用するなど、売却することを考えていきましょう。遺品整理の悩みで多いのは、膨大な量の写真です。思い出の写真はデータ化し、スリムに収納するよう見直してみてください。

4-3-3.粗大ごみはどうする? 

粗大ごみを自治体のルールに沿って処分するのが、最も費用がかからない方法です。しかし、決められた日に捨てることがルールで、事前に申し込みが必要になります。

ごみ屋敷で処分するごみは、数えきれない量になるでしょう。1つ1つにごみ処理券を購入して貼り付け、ごみステーションに廃棄しに行くのは骨が折れる作業です。指定日まで保管しておかねばならず、すぐに捨てることができないのもデメリットでしょう。

重量のあるソファーや家具などもある場合、不用品回収業者に依頼すると便利です。即日対応も可能ですし、1つずつ処理していく必要もありません。時間と手間を省けるのは大きなメリットでしょう。

4-4.仕分けの注意点

ごみ屋敷の分別をしている中で、どうしてもごみとして仕わけできないことも出てきます。大まかで構わないから、ダンボール2つを用意し、絶対必要なものと保留にしておくものにわけてみてください。保留にしておくものは、ごみ屋敷の一掃が終わってからでも構いませんので、ゆっくり考えていきましょう。

ごみ屋敷の住人は、どんな人よりものへの執着心が深いもの。うっかり捨ててしまい、後からごみ屋敷の住人が喪失感と罪悪感を抱くことがないよう十分配慮してください。捨ててしまった後悔から、再びものを集め始めるきっかけになるのです。

4-5.不用品回収の方法は? 

ごみ屋敷の一掃は、たくさんの人が協力して実現するものです。ただ捨てるだけではなく、売却できるものは活用しましょう。ごみ処分費用の穴埋めをするためにも、少しでも収益が得られるといいですね。

4-5-1.リサイクルショップに売却する

持ち込みできる場合、リサイクルショップに売却依頼をしてみましょう。リサイクルショップは、店舗ごとに引き取り対象品目が異なります。得意分野だと高額な引き取りになることもある一方、引き取ってもらえないものもあるので注意が必要です。また、目立つシミ・生活臭・故障などがある場合、処分費用を請求されることもあるので、事前に確認しておくべきでしょう。

4-5-2.不用品回収業者に依頼する

大型家具・家電製品・分別できていないごみなど、どうしても処分に困るものも出てくるでしょう。自分たちで限界を感じるようなら、不用品回収業者に依頼してみてください。買い取り品目も幅広く、運び込む手間も要りません。使える品は高額で引き取ってもらえるものもあり、処分費用を穴埋めすることができます。